チャートにはトレードのヒントが数多く隠れている
相場の分析には、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の2つがあり、それぞれ役割が異なります。片方だけ使ったり、両方を駆使して相場を読み説くなど様々なトレーダーがいますが、私自身は、トレードの勝率を上げるためにはファンダメンタルズとテクニカルの両方が必要と考えています。
為替の世界でいうファンダメンタルズ分析とは、各国の金融政策や財政政策、経済指標を参考に景気動向を探り、相場の大きな方向性をつかむ手法のこと。これの変化が市場にどう影響するのかを分析するやり方です。
ただ、仮に政策金利が据え置きあるいは引き上げや引き下げとなったからと言って、どれだけ市場にインパクトがあり、どれだけ投資家の行動に影響を与えるのか、一般の投資家は読み切れません。むしろ、そのような複雑な研究や分析は経験やリサーチ、膨大な情報収集力を持つプロに任せてしまい、個人投資家は分析結果を頭にインプットしておけばいいのです。
一方、過去の値動きを示したチャートを使って、そこからトレンドや値動きのパターンを把握し、今後の相場を予想するのがテクニカル分析です。最大の特徴は、再現性が高いこと。チャートは投資家の取引(=投資行動)の結果が集まって形成されたものであり、その時々の投資家心理をビジュアル化したものです。
過去に似たようなパターンがあれば、将来も同じようなパターンになる可能性が高く、それを実際の取引に応用できるのがテクニカル分析の強み。今は誰もがパソコンやスマートフォンでリアルタイムのチャートを見ることができます。それだけでも相場の状況がわかり、手法を学ぶことで分析の制度を上げることができるのです。為替相場や経済の知識が無くても問題ありません。
テクニカル分析が身につくとトレードの勝率は上がる!
テクニカル分析には、大きく4つの手法があります。
★トレンド分析
市場の全体的な方向性(トレンド)を見極める。移動平均線やMACD、一目均衡表など。
★オシレーター分析
トレンドの強弱(買われすぎ、売られすぎ)の変化や大きさ、兆候を探る。RSI、ストキャスティクス、RCIなど。
★フォーメーション分析
特徴的なチャートパターンから値動きを予想する。ダブルボトム、ダブルトップなど。
最大のメリットは、これらを活用することでトレードの勝率が上がることに加え、リスクも抑えやすくなること。たとえば、トレンド分析で下降トレンドと判明するだけでも、買い増しを踏みとどまったり、損切りできないミスを避けられたりするようになります。ファンダメンタルズ分析だけでは、こうした分析はできません。
このように、売買のタイミングを見つけたり、トレンドの見極めができるのがテクニカル分析の魅力です。しっかり学べば売買タイミングを逃さないようになり、利益率の向上、損失の縮小、勝率の上昇が期待できます。必ずしもテクニカル分析のパターン通りとはいかなかったり、テクニカルによるサインとは逆方向に動く、いわゆる”ダマし”が出たりするケースはありますが、知っておいて損はないですよ。
トレンド分析
市場の全体的な方向性(トレンド)を見極めることを目的とした「順張り型」のテクニカル指標
オシレーター分析
足元のトレンドの強さや相場の過熱感など、変化の大きさや兆しを察知する「逆張り」のときに活用
フォーメーション分析
チャートの特徴的なパターンから今後の為替の動向を予想する分析手法