株式型投資信託
株式が主な投資対象で株価上昇による収益を狙う株式型投資信託。
point
〇株式型投資信託は株式を中心に運用する
〇少ない資金で多くの株式に分散投資できる
〇企業の株価の上昇によるリターンを期待できる
株価の変動で大きなリターンを期待できる
株価の上昇により大きなリターンを狙う株式投資信託は、少ない資金で数多くの株式に投資できることがメリットです。複数の銘柄に投資することでリスクを分散させながら、株の値動きに合わせて比較的大きな値上がり益を期待することができます。
個人で多くの株に投資するにはかなり大きな資金が必要となりますが、投資信託では数百円から購入することも可能です。また、銘柄の調査病倍を自分で行う必要がなく、手間を掛けずに複数の株式を運用できるという事も大きなメリットです。
株式投資信託のデメリットとしては、株価の変動によって値下がりするリスクも大きいことです。株式より市場での華夏変動が少ない債券で運用される「債券型投資信託」と比べると、株式型投資信託はハイリスク・ハイリターンになる傾向があります。
さらに、運用方針によってリスクは違ってきますので、投資信託ごとのリスク・リターン、運用方針や過去の運用実績を確認して、自分の投資目的に合っているのかを確認することが大切です。
債券型投資信託
債権が主な投資対象で株式型よりリスクが低い債券型投資信託。
point
〇債券型投資信託は債券を中心に運用する
〇株式型投資信託に比べてリスクが低い
〇組み入れている債権によってリスクとリターンが違ってくる
株式型に比べてリスク・リターンは少ない
一般的に、債券は定期預金に次いでリスクの低い金融商品とされています。債権は発行元となる国や企業が破綻しない限り、満期まで保有することで着実に元金と利息が得られます。そのため、株式に比べて市場での値動きも安定しており、債券型投資信託についても株式型投資信託より安定した運用が期待できます。
複数の投資信託を保有する場合は、リスクの分散のために、株式型投資信託と合わせて債券投資信託を資産へ組み入れておくといいでしょう。
債券型投資信託のリスクとリターンは、組み入れた債券によって違ってきます。
例えば、現在の日本では低金利が続いていますが、海外の金利の高い債券を組み入れたファンドでは、国内債券で運用しているファンドより高い収益を期待できます。
また、新興国が発行する公債や信用度の低い企業が発行する社債は、大きなリターンが見込まれますがリスクも大きくなります。
どのような債券に投資するかはファンドの目論見書に記載されているので、しっかりと確認することが重要です。
債権の信用度は格付けでチェックする
債券を発行している国や自治体、企業などの信用度は、民間の格付け会社が分析・評価する「格付け」を参考にするといいでしょう。
AAAが最も安全性が高く、BBB以上の格付けであれば信用度が比較的良好な「投資適格格付け」とされます。BB以下は投資不適格となり、リスクが大きくなります。
インデックス型投資信託
値動きがわかりやすい指数との連動を目指すインデックス型投資信託。
point
〇インデックス型は株価指数と同じ値動きを目指す
〇アクティブ型に比べてコストが安い
〇値動きがわかりやすいので初心者向き
※ベンチマーク=指標
インデックス型は、日本では日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NASDAQ100などの株価指数をベンチマーク(指標)として同じ値動きをするように運用する投資信託です。指数の動きに合わせて運用するため「パッシブ型(受け身)」とも呼ばれています。
例えば、S&P500をベンチマークとする投資信託を購入すると、S&P500を構成する米国500社の株をすべてパッケージとして保有することになり、同じ値動きをすることで収益を得ることができます。個別銘柄で同じことをすると、かなりの資金と手間が必要ですが、投資信託では少額の投資で実現します。
購入時手数料無料が多く運用コストも比較的安い
インデックス型ファンドの魅力はベンチマークとする市場全体に投資できること、それによって手軽に分散投資ができる事です。
また、ベンチマークとする日経平均株価やダウ平均の情報はテレビやネットなどでも入手しやすく、投資経験が少ない人でも値動きがつかみやすいでしょう。
さらに、インデックス型は株価指数を構成する銘柄を機械的に選ぶため、個別の調整や分析がいらず、その分ファンドを保有中にかかる運用コストが低く設定されています。購入時手数料が無料(ノーロード)のファンドが多いのもポイントです。
コストが安いという事は、何十年という長期の積立投資に向いているという事。インデックス型では、同じ指数をベンチマークとするファンドはほぼ同じ値動きをするので、運用管理費用が安いファンドほど収益率は高くなります。
また、株価指数だけではなく、債券やREIT、コモディティ(商品)の指数をベンチマークとするインデックス型ファンドもあり、選択肢が多いことも特徴の一つです。
ベンチマークとする主な指数
国内株式
日経平均物価【国内の大型株で構成される日本経済を代表する株価指数】
TOPIX【東京証券取引所第一部に上場しているすべての株式で構成される。株式市場全体の動きを表す】
海外株式
MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス【全世界の大型株・中型株で構成】
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス【全世界の大型株・中型株で構成】
MSCIコクサイ・インデックス【日本を除く先進国の大型株・中型株で構成】
FTSEディベロップド・オールキャップインデックス【日本を含む先進国の大型株・中型株・小型株で構成】
米国株式
NYダウ平均【米国の主要な株式から構成。世界的な株式指数として知られる】
S&P500【米国の大型株から構成。米国の株式市場全体の動きを示す】
NASDAQ100【米国ナスダック市場に上場している規模の大きい株式で構成。IT企業が多い】
債券
NOMURA-BPI指数【日本国内の債券市場の動向を表す代表的な指数】
FTSE世界国債インデックス【海外の債券市場の動向を表す代表的な指数】
アクティブ型投資信託
リスクが大きい分リターンも大きい指数を上回る運用を目指すアクティブ型投資信託。
point
〇アクティブ型はベンチマークを上回る収益を目指す
〇ファンドマネージャーによって運用成績が違ってくる
〇インデックス型よりコストが高くなる傾向がある
アクティブ型は指数を上回る上昇を目指して運用する
「アクティブ型投資信託」はベンチマークを上回る収益を目指す投資信託です。日経平均株価をベンチマークとするインデックス型とアクティブ型を比較すると、インデックス型では指数と同じ値動きを目指すため、例えば日経平均株価が2%上昇すれば、基準価格も2%上昇することになります。一方、アクティブ型では指数を上回る上昇を目指して運用するので、2%より大きいリターンを期待できます。そのため、アクティブ型は分配金より、価格の上昇による値上がり益を狙って投資する商品とも言えます。
運用結果はファンドマネージャーの腕次第
アクティブ型はベンチマークを上回る運用成績を目指しますが、必ずしも目標通りに運用できるわけではありません。ファンドマネージャーや運用管理チームが銘柄の調査や分析、売買の判断をしながら運用するため、運用方針や相場の見通しで運用結果が違ってきます。大きなリターンも期待できますが、あくまで運用次第であり、必ずしもベンチマークを上回るとは限りません。運用結果はファンドマネージャーの腕次第と言えるでしょう。
購入する前に、目論見書や運用報告賞などで、過去の運用実績やファンドマネージャーのコメントを確認しておきましょう。
また、アクティブ型は運用会社が投資方針に基づいて個別銘柄を小差・分析して運用するため、インデックス型よりコストや手間がかかり、その分運用管理費用などの手数料が高くなります。運用成績が良くても、手数料の負担を含めると運用結果がマイナスになることもあるので、手数料のチェックは欠かせません。
アクティブ型は運用方針や手法をしっかりと理解したうえで投資し、運用状況を定期的にチェックする必要があります。そのため、ある程度投資の経験や知識がある人や、注目の業種に投資したい場合など、投資対象にこだわりのある人に向いているといえます。
テーマ型投資信託
世間の注目度が追い風になり特定の分野に投資するテーマ型投資信託。
point
〇テーマ型は注目のテーマの関連銘柄に投資する
〇テーマの内容が投資に合っているかを確認する
〇テーマによっては長期投資には注意が必要
テーマの将来性や投資方針の吟味が必要
特定のテーマへ投資するには、注目度の高さや話題性だけではなく、投資としてリターンが期待できるのかも重要となってきます。
テーマ型の注意点として、世間で話題になっているテーマの関連銘柄は、すでに経験豊富な投資家やファンドが購入し、十分に値段が上がってしまっている可能性があります。株価が上昇を続ける可能性もありますが、すでにピークアウトしている可能性もあるので、長期投資を考えている場合はテーマの将来性や投資方針の吟味が必要です。
テーマ型ファンドのテーマはテレビやネットでも話題にされていることが多く、それを見て知っているつもりになりがちです。ですが、知っていることと、それに投資することはまた別物。投資先として、自分が関心を持つテーマや企業を選ぶことも大切ですが、投資先の株価や将来性なども併せて検討することも必要となってきます。
RIET(不動産投資信託)
賃料収入や売買益を分配する少額で不動産に投資できるREIT。
point
〇REITは不動産に投資する投資信託
〇会社型と契約型がある
〇契約型は複数のREITに分散投資できる
株や債券以外の投資先として
「REIT(リート)」とは、不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金を商業施設やオフィスビル、マンションなど不動産へ投資し、賃料や売却益を利益として投資家に分配する投資信託です。
例えば、オフィスビルなど大規模な不動産投資を機人で行うには大きな資金が必要となりますが、REITでは少ない資金で不動産へ投資することができます。
また、実際に不動産を所有すると管理や定期的なメンテナンスが必要となりますが、REITでは管理会社が対応してくれるため、投資家が対応する必要はありません。
REITの収益は分配金のほか、購入した金額より高くなったところで売却すれば値上がり益を得ることができます。
オフィスビルや商業施設だけでなく、通信がん倍会社の倉庫など今後の需要が期待できる不動産施設に投資するREITもあり、定期的に分配金も出るため、株や債券以外の投資先として選択肢となるでしょう。
会社型REITは「J-REIT」
REITには「会社型」と「契約型」があります。会社型REITのことは一般的に「J-REIT」と呼ばれ、証券市場へ上場しており、株式と同様に証券会社で購入・売却することができます。実物の不動産を所有していると、売却するには不動産会社へ依頼して買い手を探し、様々な手続きが必要になるため時間がかかります。一方、J-REITは証券取引所で取引できます。不動産をすぐに現金化できるので流動性が高いという特徴があります。
契約型REIT
契約型REITは通常の投資信託と同様に運用会社・受託会社・販売会社で管理・運用し、投資家は販売会社で売買することができます。
株や債券とは違った資産のため、リスクを分散するという意味でも投資先として検討してもいいでしょう。
バランス型投資信託
様々な金融資産に分散投資してリスクを抑えて運用できるバランス型投資信託。
point
〇バランス型は様々な金融資産下分散投資する
〇資産の配分でリスク・リターンが決まる
〇安定的に運用できて初心者や積立て投資向き
値動きの違う金融商品に分散投資
「バランス型投資信託」とは、値動きが違う複数の金融商品へ分散して投資することで、安定した運用を目指す投資信託のことです。
例えば、株式と債券は逆の値動きをします。株式相場がサバったときには債券価格は上昇し、逆に株式相場が上がったときには債券価格は下落します。それぞれが逆の値動きをする資産で構成することでファンド全体の値動きを安定させます。
投資先は株式や債券、コモディティ、不動産など様々で、投資先地域も国内だけではなく、先進国や新興国など幅広い地域の資産へ分散して投資します。
自動で定期的なリバランス
バランス型ファンドでは定期的に「リバランス」が行われます。リバランスとは、相場の変動によって事前に決めてあった資産の比率が変わってしまった場合、当初の比率へ戻すことです。たとえば、国内株と海外株を50%ずつで運用を開始して国内株60%、海外株40%になった場合、値上がりした国内株の一部を売却し、開倍株をさらに組み入れることで元の50%ずつの比率に戻します。
個人で複数の銘柄へ投資した場合も適切な資産運用のためにはこのようなリバランス場必要となりますが、時間と費用を考えると現実的ではありません。しかし、バランス型ファンドでは自動で定期的なリバランスが行われるので、運用成績が安定します。
バランス型ファンドは、お手軽かつお任せで分散投資することができ、値動きなどのリスクを抑えて安定的に運用できるので初心者におすすめのファンドです。
なお、購入の際には資産の配分を確認することが大切です。積立てなど長期で運用する場合、自分の投資方針に合わせて選ぶ必要があります。安定重視なら債権の比率の大きいファンドを、収益を狙うなら株式の比率が大きいファンドを選ぶなど、各資産の配分でリスク・リターンが違ってくるのでしっかりと確認してから購入しましょう。
ETF(上場投資信託)
手数料の安さも魅力で株のように市場で売買できるETF。
point
〇株式市場で機動的に取引できる
〇運用コストが安い
〇積立て投資には向いていない
市場が開いているときはいつでも売買できる
「ETF」とは「上場投資信託」のことです。基本的な仕組みは投資信託と同じですが、証券会社を通じて株の取り引きのように市場で売買することができます。
一般の投資信託では、取引できるのは1日1回だけで、取引価格である基準価格も1日ごとに決まります。ですが、ETFは事情が開いている時間帯はいつでも売買でき、取引時間中の値動きを見ながらリアルタイムで売買することができます。
例えば、午前中に買ったETFが大幅に値上がりした場合、当日中に売却して利益を得るということもできるのです。
さらに成り行き注文や指値注文、信用取引での売買もできるので、株と同様に機動的な取引ができることがETFの大きなメリットと言えます。
積立てNISAの対象商品が少ない
ETFは投資信託と比べて運用管理費用も低く設定されています。
例えば、日経平均株価に連動するファンドで比較すると、低コスト投資信託の代表であるeMAXISシリーズの「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」では運用管理費用が0.154%の一方、ETFの「iシェアーズ・コアTOPIX ETF」では0.066%と、半分以下となっています。このように手数料の安さもETFのメリットと言えるでしょう。
投資信託だけど少額では投資できない
ただ、ETFには少額では投資できないというデメリットがあります。投資信託は100円から投資できますが、ETFでは数万円程度からの資金が必要になります。さらに投資信託のように自動積み立てをしたい場合でも対応しているのは一部の証券会社に限られ、分配金の再投資もできません。また、ETFでは、税金が有利になる「積立てNISA」の対象となっている商品が少ないのです。
ETFで投資する際には、このようなメリット・デメリットをほかの投資信託と比較しておきましょう。